又吉直樹の「人間」他、おすすめの本をネタバレ無しでご紹介
芥川賞受賞の又吉直樹さん。受賞したのは「火花」でしたが、最新作のタイトルも二文字の「人間」。元お笑い芸人のイメージが強く芥川賞作家という話題性が先行してますが、決して話題性だけで芥川賞を受賞できたわけではありません。
ここでは芥川賞受賞作の「火花」や最新作「人間」以外にもある又吉直樹のおすすめの本、又吉直樹自身が薦めるおすすめの本をご紹介していきます。
最新作「人間」とそれ以外のおすすめの本
又吉直樹の最新作「人間」は新聞連載だったからか、口コミでは微妙な評価ですね。「火花」の印象が圧倒的で、その後の作品に対しては評価が厳し目になっているような気がします。
又吉直樹は火花、人間以外にもいくつかの作品を出していて、そのうちの一つが「東京百景」。東京百景は又吉直樹の下積み時代の実話を元にして作られているのでリアル感を感じます。短編ですが濃厚なエッセイとして楽しむことができるでしょう。
「劇場」は火花の次の作品でとても注目を集めましたが、芥川賞作家の名を汚さない最低基準はクリアした作品。ベタベタした文章表現は無いのに情熱的な愛を表現できてるところはすごい。最後の方はすっきりせずモヤモヤが残りますが、それは次回作へつなげるための作戦かもと思います。
又吉直樹が選んだおすすめの本5選
コロナウイルス感染拡大の最中、自宅待機を余儀なくされた人たちへ向け又吉直樹が「いまこそ読みたい5冊の本」を紹介していました。一言コメント付きで紹介します。
●「逃亡者」中村文則(幻冬舎)
中村文則の逃亡者は第二次大戦下にトランペットを持ちながら闘争するちょっと変わったストーリー。サスペンスタッチながら見事に昇華された傑作です。
●「息吹」テッド・チャン(早川書房)
又吉直樹が一つ残らず面白かったという「息吹」は人間の感情、未だ整理されていない理論などを克明に描きながらも読者を迷子にさせること無く読ませてくれます。
●「アラビアの夜の種族」古川日出男(角川文庫)
規格外の設定が魅力の面白い物語。アラビアンナイトの世界観で進行されていく壮大なストーリーが楽しめます。
●「七つの殺人に関する簡潔な記録」マーロン・ジェイムズ(早川書房)
ボブ・マーリーを元に書かれた小説で、暗殺未遂事件などニューヨークやジャマイカの性暴力、政治、ドラッグなどについて書かれています。
●「黒い本」オルハン・パムク(藤原書店)
2つの物語が章をまたいで進行する作品。架空の天才コラムニストを作品として描けているところが恐ろしい。